mayuさんから賜りました!

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兄vs妹



ポカポカと晴れたある日の事だった・・・


「兄様・・・」
小さな小さな女の子。
両方の髪をリボンで結わえ、可愛い笑顔で望の膝へと座る。
しっかりと兄の腕を掴む姿は、まだまだ母親が恋しいと言う感じだろうか?

「可愛いだろう・・・ゆやと言うんだ・・・」

望はゆやの頭を優しく優しく撫でる。

「本当に可愛いわね・・・ゆやちゃん?」

朔夜はゆやの方を見て微笑むとゆやに視線を合わせる。
その大きな瞳は朔夜を見つめている。

「なぁに?」

首を傾げ朔夜を見つめる。
会った事の無い女の人にゆやは興味があるのか、望の腕から手を放さないのだがちらちらと朔夜を見つめる。

「私の事は、お姉ちゃんって呼んでね」

「お姉たん?」

再び首をかしげるゆや。一生懸命に考えている・・・
望から離れ朔夜の顔を覗き込む。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「?」

望も朔夜も何も言わずにゆやを見つめている。
その行動にゆやの頭には「?」マークが一杯ある。

「「もう!!可愛いー!!!!!」」

同時にはもる声。

「さ、ゆやこっちへおいで・・・」

望が手を伸ばす。

「あら、私の所へ・・・・」

朔夜も手を伸ばす。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

顔をひきつらせ二人の間には張り詰めた空気が流れた。

「私・の・所・へ!!」

「私・よ!!」

「・・・恐いよ・・・」

泣きそうなゆやの顔に二人は我に返る。

「「!!」」

「ごめんねゆやちゃん」

「仲良くしないと、め・だよ・・・」

ぷうっと頬を膨らませてゆやはぷんと怒る。

「「可愛い」」

再びはもる声。
流石は兄妹・・・・

「そうだね・・・そうだゆや兄様が遊んであげるよ」

「あら私と遊びましょうゆやちゃん」

これほどまでに人に殺意を向けた事があったか?
何故か二人はそのまま凍りついたかのように動かない。

「「殺(や)んのかい?」」

飛び交う言葉はまるで兄妹の会話ではない・・・
そう・・・今この瞬間戦いの火ぶたは切って落とされた。

「後悔するなよ・・・」

「あら・・・それはどうかしらね!!」

「うわぁーん」

ゆやの泣き声が部屋に響き渡る。

「「!!!!!!!」」

「ごごご・・・・ごめんよゆや・・・」

「ゆやちゃん・・・泣かないで」

あたふたする二人・・・しかしゆやの涙は止まらない。



「ゆやちゃん!遊ぼう」

タイミングの悪い所に隣に住んでいる子供が遊びにくる。
声のする方を向くとそこには男の子が立っている。

「・・・あっ・・・」

「どうしたのゆやちゃん?泣かないで・・・ほら行こう」

ゆやの手を引き外へと連れて行く男の子。

「ゆや!!その子に近づいちゃ駄目って言っただろう!!」

「ゆやちゃん!!」

立ち上がる二人はお互いの顔を見合わせる。

「ふっ・・・ここで争っている暇ではないようだな・・・」

「そうね・・・一時休戦といきましょうか・・・」


にやりと笑うとゆやの後を追って行った。



ああ、今日も平和な?一日が終わる・・・




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2005/7/21
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